「NHKのラジオ英語講座って聞いたことあるけど、どれから始めればいいかわからない」――今回は、中学英語はおおむね理解できていて、次のステップを探しているという方に向けて、NHKラジオ英語講座の中でもおすすめの講座をご紹介します。
英語学習において「継続できること」が何より大切。自分にぴったりの講座を見つけて、無理なく続けられる環境を整えましょう。
NHKラジオ英語講座ってどんな種類があるの?

NHKのラジオ英語講座(2025年)は、さまざまなレベルや目的に対応しています。中学レベルはおおむね理解できているいう方には以下のような講座があります。
- 英会話タイムトライアル
- エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
- ラジオ英会話
- ニュースで学ぶ「現代英語」(※テキストなし)
- ラジオビジネス英語
※テレビ講座としては「会話が続く!リアル旅英語」もあります。
自分に合った講座を選ぶコツとは?









まずはアプリかウェブサイトの「らじる★らじる」でいくつかの放送を試聴してみましょう。自分にとって「ちょうどよい」と思える講座から始めることが、継続のカギです。「らじる★らじる」は無料で使用することができます。
【おすすめの始め方】
- 「NHKゴガク」や「らじる★らじる」で放送をチェック
- 聞いて理解しやすいレベルから始めよう
- 「ちょっと簡単かも?」と感じる講座が継続しやすい



もちろん、目的をもって高いレベルの教材に挑戦するのも素晴らしいことです。ただ、それにはある程度の強い意志や継続力が求められます。自分のレベルよりも明らかに難しい教材を選ぶと、挫折してしまう可能性が高くなります。リスニングで聞いて簡単だと思っても、実際に同じ内容を話すのは意外と難しいものです。だからこそ、少しやさしいくらいのレベルから始めて、音読や暗唱を通じてしっかりと身につけていくのが上達の近道です。
中学英語にまだ少し不安がある方には「基礎英語」シリーズから始めるのがおすすめです。学習の土台を作ることで、次のステップがぐんと楽になります。以下のような講座があります。こちらも試聴して自分に合ったレベルを選ぶことをおすすめします。
- 小学生の基礎英語
- 中学生の基礎英語 レベル1
- 中学生の基礎英語 レベル2
英会話タイムトライアルで英語の瞬発力を鍛える
英会話タイムトライアルは1日10分・テキストなしでもOK! 気軽に試せる人気講座です。A2レベルに位置付けられています。
この講座は「制限時間内に英語で回答する」タイムトライアル形式。短い時間でも集中力が必要で、思った以上に難しいと感じることもあるでしょう。ですが、毎回繰り返し練習が用意されており、使える表現がどんどん身についていきます。
進行の流れ:
- まずは問題に制限時間内で挑戦
- その後、模範解答を確認
- 再度トライ(2回目にはスラスラ言える実感が)
表現が出てこなかった時も、諦めずに「何とか説明してみる」ことが大切です。うまく言えなかった部分は、1日2回チャレンジしてもOK! 反復で口慣らしできます。
3週目までは月〜金で15回の新規レッスンです。4週目は3週目の再放送なので、復習にもぴったりです。
取り上げられる表現は日常会話にすぐ使えるものばかり。英語を瞬時に引き出す「英語の瞬発力」を鍛えたい方にはぴったりの講座です。



1日5分! エンジョイ・シンプル・イングリッシュ



「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」は、1話5分の物語形式。1話500語前後の平易な英語を使用しています。A2~B1レベルに位置付けられています。
英語だけでストーリーを理解する達成感が魅力で、スキマ時間の活用にぴったりです。今日は疲れて何もできないという日には、この講座を聞いて、5分だけでも英語に触れるといいでしょう。何もしなかったと思う日でも、「少しでも英語に触れた」という体験が積み重なって、自信になります。
- 毎回5分で完結
- テキストなしでもOK
- ストーリー形式で楽しく学べる
なによりも「英語でストーリーを理解できた」ってうれしいですよね。リーディングの練習をしたい。語彙を確認してストーリーをちゃんと理解したいという人はテキストを購入するといいでしょう。



人気の「ラジオ英会話」の効果的な活用法
中学英語は大丈夫、総合力を伸ばしたい!という方には「ラジオ英会話」がおすすめです。「ラジオ英会話」は、NHK語学講座の中でも特に人気のある番組です。B1レベルに位置付けられています。
講師は長年英語学習者に親しまれている大西泰斗先生。文法に裏打ちされた自然な英語表現を学べると好評です。2025年度からは実践的な表現を学ぶPractical Usageというコーナーと、発音練習のコーナーも追加されて、ますますパワーアップ。Practical Usageのコーナーではたまにビジネスで使えそうな表現も出てきますよ。
大西先生も効果的な学習法としてテキストの音読・暗唱を勧めています。
※暗唱とは、テキストを見ずにフレーズを口に出して言えるようにする練習法です。音声を真似して話すシャドーイングとは少し違い、自分の中に英文をしっかり定着させるのが目的です。



ダイアログの暗唱が難しく感じる場合は、段階を追って取り組むのがポイントです。
ラジオ英会話テキストの暗唱レベル別ステップ:
- レベル1: キーフレーズや印象に残った一文のみ暗記
- レベル2: Practical Usage のみ暗記
- レベル3: ダイアログ全体を暗記
- レベル4: Practical Usage+ダイアログの両方を暗記
声に出して覚えることで、文法の細かいポイントにも自然と気づけるようになります。特に、Practical Usageには実践的な表現が多く含まれているので、短い文でも暗唱をすればかなり力がつくのではないかと感じました。ぜひここは暗唱してほしいところです。最初は大変に感じるかもしれませんが、無理のない範囲から始めて、少しずつステップアップしていきましょう。続けていくうちに、暗唱するのが日課になってくるはずです。



ラジオビジネス英語でビジネスの語彙を増やす






この講座では、実際のビジネスシーンで使われる語彙や表現を学ぶことができます。TOEICのスコアを伸ばしたい方や、ビジネス英語の語彙を増やしたい方には、間違いなくおすすめです。B2~C1レベルに位置付けれています。
特に金曜日の「ビジネスパーソンへのインタビュー」は、少し難しく感じるかもしれません。さまざまな訛りのあるネイティブスピーカーが登場するので、最初は聞き取りに苦労することもありますが、実際のビジネスではこうした状況が普通です。ビジネス英語を伸ばしたい人には、あきらめずに聞き続けてほしいところです。
個人的におすすめしたいのが、木曜日の「英文メールの書き方」。実際にありそうなビジネスシーンをもとに構成されているので、語彙や表現だけでなく、実践的なライティングの練習にもなります。
「ラジオビジネス英語」では、1週間を通して異なるテーマで実践的なビジネス英語が学べます。
曜日別の内容:
- 月〜水:ビジネスシーンが舞台のストーリー仕立て
- 木曜:英文メールの書き方(実践的なライティング力を養える)
- 金曜:ビジネスパーソンへのインタビュー(多様な英語に触れられる)
この講座も音読・暗唱を続けたら間違いなく力になります。ただ、暗唱の難易度はあがりますし、暗唱するのにもそれなりの時間は必要になります。その日覚えた語彙やキーフレーズを、オンライン英会話やChatGPTでの会話で実際に使用してみて身に着けていくのがいいかもしれません。
まとめ
NHKラジオ英語講座は、目的やレベルに合わせて選べる豊富なラインナップが魅力です。すぐに始められる実践的な教材がそろっています。どれか一つでも興味をもったら、まずは「らじる★らじる」で試聴してみて、自分に合うかどうかを確かめるとよいでしょう。継続が一番のカギなので、「少しやさしめ」からスタートして自信をつけながら少しずつレベルアップしていくのが成功の近道です。


